さらば愛しきルパンとドローン馬鹿

社祭や善光寺でドローン(実際には自律型こそがドローンらしいが、便宜上ドローンと呼称します)を飛ばした馬鹿がいましたが、彼には彼の理屈があります。

 

 別に私は彼を弁護するつもりはナノメートルも持っておらず、彼が十五歳の無職でネットを介してお金を貰っているという一点に関心を持ってます。

 

 お金のためと、承認欲求のためと、そこから生まれた自分自身を糊塗するために付けられた「大義名分」を以って、彼は彼を応援(現金で焚き付けているだけとも)してくれる人のために、ドンドン危険な場所や不謹慎なところに突っ込んでいきます。

 

 これとよく似た存在を私達は知っていますが、彼らは「知る権利」や「社会の木鐸」というキレイ事の(屁)理屈を付けて自己正当化を図ります。

 

 そして本日私が紹介した「不思議の国のバード」の中に登場する、旅籠に泊まりこんだバードを障子の穴から覗き見る日本のムラ社会の人々のニーズに答えるがべく、メディアの中の人やそれの同類のドローン馬鹿は頑張るわけです。

 

ふしぎの国のバード 1巻 (ビームコミックス)

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 さて、

 

 ところで、同じように「人々に恐ろしい兵器の真実を知ってもらうため)という大義名分で、死に追いやられた父親の復讐を世間に果たした少女がいました。

 

 


ルパン三世 さらば愛しきルパンよ - カリオストロの城との類似点 - YouTube

 

 

 上の動画のセリフの本編でのやり取りはこんな感じ

 

 銭形「何人死んだ? 昼間の騒ぎで何人死んだ 何人殺した!?」

 マキ「やめて、私は撃たなかった」

 銭形「てやんでぇ、戦車がいるのを知っててちょっかい出したはずだ。通行人を盾にsるつもりだったんだろう」

 マキ「そうよ! だってあんなふうになるなんて思わなかったんだもの

 銭形「フン」

 マキ「でも、他に方法がなかったの。私のチチはロボットのことしか頭にない人でした。~彼らの本心がわかった時は手遅れでした。何とかやめさせたかった。みんなにロボットの恐ろしさを伝えたかった」

 

 ですが、彼女はニセのルパンにこう言われてしまいます。 

 

ルパン「マキちゃん、世の中には恐ろしければ恐ろしいほど売れるものがあるのよ」

 

 マキちゃんは自分がやったことに対して「だってあんなふうになるなんて思わなかったんだもの」と、泣いて済まそうとしていますが、多分ドローン馬鹿やメディアの人々が何か間違いを起こしても「知る権利のために一生懸命頑張ったんだ。真逆あんなことになるなんて」というと思います。

 

 美少女がドローンじみたものを飛ばして死人が出ても、泣いて謝れば通りますが、現実は小理屈ばかり捏ねるクソガキがドローンを飛ばしているというのが何とも言えない未来社会というわけで。

 

 「さらば愛しきルパン」から35年の歳月を経て、得られたものがこんなに夢のないものだなんて。

 

 しかもトドメと言わんばかりに、

「マキちゃん、世の中には恐ろしければ恐ろしいほど売れるものがあるのよ」 

と、どこかの被爆地での反対運動が、逆にその爆弾の宣伝になっている状況を冷静に作中で表現できた監督が、まさか歳を取ってから本格的に反基地運動に取り組むとは。

 昔とった杵柄にしても、もう少しやりようはあるだろうと思う次第です。

 

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