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満員電車の中心で正義を叫ぶ島耕作

今朝の私は満員の電車で運良く座れたので、通勤が少し楽になりました。

 

そして私たちの前におばあさんがやって来ました。

 

後で席を譲りましたけど、まだ座ったばかりだったので、しばらくのあいだはおばあさんを立たせたままでした。

 

そんな時、ふと今は会長にまで出世した男のことを思い出しました。

 

 

課長 島耕作(新装版)  全8巻 完結コミックセット(講談社漫画文庫)
 

 

 

 「課長島耕作」の第一話で、満員電車の中で気分が悪そうな老婆の為に、他人に「席を譲れ」と強制した島耕作は、酷いヤツだなと、いまさら思い出しました


 女性を大切にするナイスガイという、義憤の男の島耕作というキャラづくりは成功しましたが、あとで文句を言った相手が自分の上司と分かる辺り、お話の面白さのいい意味で実にサザエさん的です。

 確かに島耕作は正義の男かもしれないけど、前にあいつ、社内で探偵を利用して、保身と正義のためにクーデターを行った男なので、あいつも手前勝手な、他人に犠牲を強いるポル・ポトじゃないのかとは思うのです。

 

 事実、老婆は「もうやめてください」と言ってるのに、「あんた、おばあさんがかわいそうだとは思わないのか」と、満員電車という、人がようやく座れた席でゆっくりと休みたい人の気持ちを無視して正義を行う彼を思うと、作者はサラリーマンをやめて久しかったなぁと思いました。

 

 毎日電車で通勤をしていると、余裕が有るときはともかく、中々すし詰めの電車の中でそうしたきれいな行いをやりにくいものです。

 

 結局、朝の電車の中を、正義感を発揮した島耕作のために不快な思いをさせられたことを思うと、現代的な価値観で見ると、島耕作こそが自分が邪悪だと気づいてない邪悪じゃないかな、とは思います。

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**島耕作はこれにポコロコの豪運を持ち合わせている無敵キャラ

 



だからこそ、島耕作が受けたのだと私は思います。

老婆を座らせるための椅子のために正義は叫ぶが、その犠牲は自分ではないというのは、実にこの漫画のメインターゲットのある年代らしいと思います。